虫干や襟より父の爪楊枝 川端茅舎
大きな部屋いっぱいに虫干しをしました。
ほとんど和服です。
亡くなったお父さん着道楽贅沢な和服をいっぱい持っていました。
一枚々々の和服に、一つ一つの忘れがたい思い出があります。
その思い出を懐かしんでいると、ある一枚の和服の襟に爪楊枝が入っていました。
<あら、お父さんたら……>
と、小さな声を出し、まるで生きている人にでも話しかけるようにして、胸を熱くしているのでしょう。
うっすらと涙がうかんだのかも知れません。
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