家ぢゆうの風邪ひきうけて大嚏(くしゃみ) 杉山 台林
誰が一番先に……ということなしに、家族全員が風邪をひいています。
「情けないなぁ、みんな。うちの中で最も年寄りであるはずのわしだけが、どうだね、こんなに健康じゃないか!!」と胸を張って威張っていたお父さんが、びっくりするような大きな嚏をたてつづけに三つもしました。
「あーあ用心していたのに、とうとうわたしも感染(うつ)されたか!! いくら仲のいい家族でも、風邪のご相伴だけにはあずかりたくないと思っていたんだがなぁ……。さ、景気なおしに熱燗でお銚子もう一本といくか……」
「なに言ってるんですか、お父さん。それこそ調子よすぎるんじゃないですか!?」と奥さんが風邪声で言うと、お父さん、さっきの嚏より大きいのを、またたてつづけに二つ……。
>しみず様
コメントをありがとうございます!
これからもお叱りや励ましをいただきながらブログを続けていきたいと思っております。
管理人
投稿情報: 管理人 | 2008年8 月 5日 (火) 17:21
中西龍氏の語りに、このような形で再会できるとは、大いなる喜びです。
日本語の美しさ、奥深さを、洒脱なスタイルで伝えてくれました。
選句のセンスも妙な気取りがなく、江戸っ子らしいと思っていました。
ブログを拝見するのを愉しみにしています。
投稿情報: しみず | 2008年8 月 4日 (月) 21:59