杉箸の柾目(まさめ)にまっすぐ冷奴 下仲 里美
当マイクロフォンはお豆富の大ファンで、もちろん一年中口にし、これほど安くて栄養があっておいしいものに寄せる感謝と尊敬を込めて、豆が腐るとは書かずに、あえて豆が富むと記しますが、数年前、お豆富の組合から、なぜ腐るという字なのかを説明したパンフレット同封の丁寧なお手紙を頂いた思い出があります。
さて、この句、冷奴を頂くときは普通のお箸よりは杉の割箸を使う方が滑りませんし、それにこの方が確かに冷奴にはよく似合います。縦に真っ直ぐに入っている線が木偏に正しいという字のまさめつもり木目ですが、これもまた涼しさを呼びます。作者は杉の桶にお豆富と氷を入れ、それを杉箸で召し上がっているのかもしれません。桶には、美しい花びらの一ひら、二ひらを浮かべているかもしれません。
こんなことはどうでもいいことですが、当マイクロフォンはどちらかと言えば、夏でも湯豆富の方が好みです。
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