コーヒーの客へ牡丹の風流れ 増生 幻樹
「自分で言うのもなんですが、このコーヒーはいけますよ。
どうかひとつ味わってみてください」
「……いやぁ、いい香りですね……、こりゃおいしい。
とこれでコーヒーの香りのほかに、なにか甘やかな匂いが流れていますなぁ……」
「お気づきになりましたか……牡丹ですよ。
もう盛りは過ぎましたが、わたしは牡丹が好きで、庭に牡丹がだいぶありましてね……。
中国では、この牡丹を花の王様。
つまり花王、って言うんですね。
それほどいい花とされている。
……どうです。コーヒー、もう一杯!?」
コメント