ラムネ飲むときに和尚の身を反らす 本城恵美
近くにあるお寺の和尚さんは、世話好きで、人の話をよく聴き、なんでも親身になって相談にのってくれるので人気者です。
いつも笑顔を絶やさない、その和尚さんのところへ、ある奥さんが自分の畑で穫れた枝豆を届けにきました。
「あら、和尚様、いまどきラムネを飲んでるんですか? 珍しいものをまた……」
「そりゃあ、わたしだってラムネぐらい飲むさ、咽喉が渇いてな……。わしはどちらかといえばサイダーよりこの方が好きじゃなあ。……どうじゃね、なんとなく豪快な感じがするじゃろう!? カラコロと、玉はいい音で鳴るし、瓶ごと飲むので身体が反るじゃろう!? なんとなく天下を取ったみたいにいい気分でのう、ハッハッハッ……」
「和尚様、この枝豆あとで召し上がってくださいね、茹でてありますので……」
「いやいや、いつもご親切に……。いやあ、うまそうじゃのう。ありがとう、ありがとう!!」
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