病む妻の白湯さましをり梅の昼 家木草平
「どうしたの、起き上がったりして、咽喉がかわいたのか?
そう言ってくれりゃいいじゃないか!?
君は病気なんだ。病気の時くらい遠慮は要らないんだよ。
ジュースは厭なのか……お茶……、お茶も厭なのか……。
ただのお湯が飲みたいのか……。
よし、俺がさましてやるからね。
フー、フー、フー……。
もうちょっと待ちなよ。
見てごらん、庭の紅梅が綺麗だろう!?
もう峠はとっくに過ぎたのに、まだあんなに綺麗だ……。
……なあ、ゆっくり養生して元気になってくれよ、いいな!?
……なんだい、涙ぐんだりして……」
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