え~、鰻にカレー、バナナ、セロリ、生牡蠣やウニ、サザエを筆頭にした貝系……。
とにかく好き嫌いの多いのなんの。
どのアイテムも何らかのトラウマ的な“事件”が発生し、それ以来匂いを嗅ぐだけで「パス!」って感じであったわけです。
因みに鰻様はといえば、幼稚園の頃までは「お客さんが来れば食べられるぞぃ!」ってぐらいの大好物だったのですが…。
昭和30年代後半のとある日。
鰻の皮が喉に引っかかり、それからというものはそのお姿さ見るのも耐えられないものとなっておりました。
先日わたくしが私淑して止まない方からEメールが届きまして。
「・・・さて浅草で鰻でもいかがでしょう?」
最近、ご多分にもれず、老眼が着実に進行しているわたくし、「鰻」を「鮨」と読み間違え、そのままカット&ペーストして
「浅草で鰻、楽しみにしております!」
と返事をしてしまいまして。
目が悪いわ頭悪いわ…と反省しつつも時既に遅し。
そして―。ついに―。
8月10日。
浅草の鰻の老舗「初小川(はつおがわ)」へと足を運んだのであります。
そこでいただいた肝焼き、白焼き、そしてうな重に肝吸いのなんともはや旨いのなんの!!
ああ~!こんな旨いものを約40年間食べなかったわたくしはなんと愚かで幸薄い男なのだろう!!
旨さの感動と悲壮感と自己嫌悪を洗濯機にブッ込んで、柔軟剤と間違えて漂白剤を使って洗濯されちまったかのような我が心と内臓…。
とにもかくにもわたくしにとって記念すべき日になったことは間違えありません。
食べたことがなく、味も分からないのに嫌いだ!と決め込むことが「食べず嫌い」ですから、わたくしの場合は「思い出し食い」でしょうか。
しかし。
この時はまだ、次なるステージ、「カレー」へと数日のうちに進むことになろうことなど夢にも思わなんだわたくしでございました。
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